幕専開発終了&ミニミニ字幕ダウンロードサービス計画開始について

こんにちは、かんりです。

幕専が一般の方に全く受けず、使い方の分からない方ばかりで普及しなかった上に、悪質業者への格好のえさとなってしまったことの反省として、もっと利用しやすい形で幕専プログラムを活用できないかをずっと検討していました。

まず前者の問題について「一般の方が利用しやすい形」を考えました。アウトラインだけがフォントプログラムの中にあり、その組み合わせと出力はユーザがしなければならなかったことが作業をややこしくしていて、それによって「面倒くさい」という意識がユーザ各位に芽生え、敬遠されるに至ったのではないか、こう分析しました。
ニワカ鉄オタさんをカモに金儲けを企てる業者にとっても、幕専の人気や知名度が低いままであることが有利に働き、使い方さえ分かれば本物と遜色ないクォリティで印字出力が期待できることから、こういった2次的野心をもった人しか使い方を学ぶところまでは至らなかったのでしょう。そういった意味で前者を解決すれば、後者への抑止力になり、結果として両方解決できる可能性が高まることも考えられます。
幕専はそのまま方向幕を印字するためだけにあるのだから、仕上がり版があればよい。自由に組み合わせられる個別の版があっても、使い方が難しく面倒くさければ結果として使われずに、本末転倒であったということではなかろうかと思います。

というわけで具体解決策。用途としては画像を得ることによってその素材を活用する、たとえば鉄道モデリング(3D)用や、その素材を縮小して印刷することでNゲージ等の鉄道模型用のシール・デカールとして使用するというのが最も有力です。そしてもうひとつが実際に仮想の方向幕を自分で版から組み上げていくという用途で、これは非常に需要が少ないながらも、確実にコアユーザの要求として必要であることがわかっています。

1.モデリング・シールデカール用の画像
2.実際の方向幕やミニチュアの印刷原版

1であれば画像(jpg)のみで事足りますが、2を考えるとアウトラインとしての情報は残さなければ話になりません。2の用途に使える解像度の画像を用意するとなると大変な話になります。そこで、アウトライン利用でも画像出力でも問題ない方法を考えなければならないです。これを解決できる方法として、データ形式的な話でPDFが候補になりました。

PDFで実際に方向幕の版を作ることができるのか、これを検証する必要が出てきたので、実際にやってみたところ、とりあえず問題ないことが分かりました。PDFから画像を得ることもできることが分かり、ライトユーザの方にもコアユーザの方にも、とりあえず共通した版を提供させていただくことで用途別に使っていただけるだろうということになりました。

一番の懸案だった「入力のややこしさ」は、PDFの版を作るところを私が肩代わりすることで、大幅に省略できます。PDFの原版は、まさに「ミニチュア方向幕」そのものの版であり、そのまま印刷すれば実際にミニチュア幕になります。PDFファイルを画像ファイルに変換すれば、全コマは画像ファイルとして得ることができます。画像ファイルはそれを縮小するだけで、モデリング・シールデカール用としてすぐ使えますし、大きさを指定する場合でも、Acrobatの切り取りツールと倍率変更を活用すれば、アンチエイリアスのかかった綺麗でプレーンな画像を得ることができますから、制約も出てきません。

問題は「用意された版をユーザが改変できない」ことですが、これは圧倒的多数のライトユーザの方は「本物と同じような色・文字・コマであれば満足する」という傾向が大変強く、文字の違いなどどうでもよいと考えていることが分かってきましたから、とりあえずライトユーザについてはこの問題は無視できます。コアユーザの方の数が非常に少ないので、コアユーザの要求という意味では私個人で対応できるだろうと考えました。つまり、一般的に最も需要があるだろう本物とほぼ遜色ないコマ内容の原版を作り、一般供用した上で、個別の改変案件については、別途対応させていただくことにしました。

これにより幕専プログラムを体系化・一般向けリリースする必要がなくなることになり、改版リリース管理などは全て、私の個人的作業として内部完結させることができます。仕様書も必要なく、幕専をカタログ管理する必要もなくなりました。極論からして幕専を開発する必要がなくなった(前述の原版を作るために一時的に個人的作業用部品としてあればよい)と言えます。

コアユーザの方には大変申し訳ないのですが、色も組み合わせも自由にできる幕専の魅力は、PDF原版提供に移行することで失われます。対外リリースも全て中止し、幕専体系そのものを廃止することになるので、今後関東中電などの待ち望まれたデータは、完成をまたず対外的には未リリースのまま廃止となります。

いくら美味しくて最高の品質のスイーツを作ったとしても、そのパッケージを開けるのに、食べるために恐ろしいまでの手順やスキルが必要になれば、結果として食べてくれる人は殆んどいないくなるのは当たり前ですね。いくら無限大の自由なトッピングが中に一緒に入っていても、そこまでたどりつけなければ、それも全く無意味です。そこでパッケージ内にあったトッピングを廃止、すでに人気の高いトッピングが施された状態で、とても簡単なパッケージにして出そうという訳です。

今までの幕専の開発で唯一の誤算だったのは、鉄道趣味家と言われる人たちの圧倒的多数が「ニワカ」だったということです。つまり深く研究したり、掘り下げてなにかをやっている人というのはごくごく僅かひとつまみの人だけで、殆んどの人は「電車だ!わーい!」程度だったということなんです。字幕好きの人たちでも、文字そのものはどうでもいいという人達が圧倒的多数で、それをどこがデザインしたのかなんてマジでどうでもいいと。「JRの行き先だ!わーい!」で完結というレベルでしかなかった。これが誤算でした。ひとつまみの人達向けに、最高の品質を目指していたわけで、結果利用が進まないのは当たり前だったんです。

■幕専に代わる新たなサービス「ミニミニ字幕原版ダウンロード」

PDFで字幕原版を作れば、大多数の需要に応えることができるという結論が出たので、実際にどういった方法でこれを提供するかですが、実幕資料に存在したコマ順の原版を、今ある幕専部品を使用してどんどん作っていこうかと。そして例えば「113系国府津」といったような感じで、路線ではなく車種ごとの実幕サンプルをベースに再現したもの(もちろん幕専アレンジが施された状態)をダウンロードできれば理想だと考えました。これなら、「藤沢のコマが欲しければ国府津の113系か185系だな」と鉄道趣味家の方ならすぐ分かるだろうと思います。

そこで最初の試験的なリリースとして、今話題の「武蔵野線205系」のミニミニ字幕原版をダウンロード可能にしました。このリリースで取れた統計データをベースに、ユーザの利用度などを研究して、より理想に近い形で後続の正式リリースを計画していこうと思っています。

実際に「ミニミニ字幕原版」の案として武蔵野線205系の原版(試験のためおまけのコマ付)をアップロードしましたので、一度是非ご覧いただきたいと思います。A4のロール紙に印刷すれば、印刷するだけでミニ字幕1本が完成します。普通のA4紙に印刷すると12枚になりますが、これらを全て縦にテープなどで連結すれば、同じように1本の字幕を作ることができます。使い方は至って簡単で、AdobeReader(AcrobatReader)のインストールされたPCでPDFを開いて、印刷するだけです。↓の画像をクリックしていただければ、原版PDFが開きます。

1つだけ怖いのは、ミニミニ字幕原版といってますが、これはA4ベースで文書作成しているだけの話であって、中身がアウトラインなので、どこかでまた性根の腐った業者やヤフオクの個人転売屋が、拡大して印刷して「レプリカ」と称して高額で売りつける可能性が無いとは言えないことです。しかも、幕専の使い方を熟達した人間でなくても簡単に刷ることができる上に、わたしが徹底的に作りこんだ内容を反映した状態でアウトプットするので、結果として「かなり研究されたレベルの高い内容」の非公式で怪しいグッズが、今まで以上に蔓延する可能性があります。なるべく本物とは区別できるような差異を入れるようにはしますが、たとえ入れたとしても幕専で印字するレベルのものでの差異なので、相当字幕研究をされている方にしか分からないはずなので、一般向けにはあまり意味がありません。
これらの対策ですが、今までの幕専は知名度が低すぎたこのことが闇利用をしやすくしていたことは間違いないので、今後はこのミニミニ字幕原版@ロールズ謹製のサービスを、もっともっとライトな趣味家にも浸透するよう広報活動を行い、「ああ、あれはロールズの作り物だな」と誰もがすぐに判断していただけるような、そういった方向にもっていきたいと思います。買う側がいなければ、売る側ももたないはずです。

幕専が無償であったのと同じように、ミニミニ字幕原版サービスも基本的に無償で進める予定です。幕専の利用許諾は引き続きミニミニ字幕原版にも適用されることから、許可のないシールデカール販売は例え同人であってもNGです。逆に、今までに幕専利用許諾を個別に申請していただいている業者さん、団体さん、個人さんについては、契約内容を変えることなく、ミニミニ字幕原版を幕専として継続して商用利用していただけることになります。

というわけで、幕専にかわる新たな試みとして2011年ミニミニ字幕原版ダウンロードサービスにどうぞご期待下さい(途中で興ざめするような事件があれば、これも中止するかもしれませんが・・・)。あと、幕専は2011年1月8日をもって、対外リリース及び開発終了を宣言させていただき、ライセンス申請ユーザ以外の個別のサポートも終息とさせていただきます。長らくのご愛顧誠にありがとうございました。