「好摩」の怪

かんりです。急がなくてはいけません、もう2009年が終わってしまいそうです。
かなりの危機感を持って、しかしクォリティは下げることなく、もはや本気を出さざるを得ない(ずっと本気でがんばってるんですが・・・)。

東北地区標準2に入りました。このデータは殆どが気動車区間、作成されるコマも殆どが創作で、実車ベースのものはかなり少ないデータです。言ってしまえば「需要が殆ど無い」ものになるだろうという予測です。しかしながら全国網羅が金科玉条ですから手を緩めるわけには行きません。少しでも役に立つデータになることを信じてやっていきましょう。
 
1.好摩

 この好摩は実車の「好」の漢字がいびつです。1駅1例、どうしてもここしかないのですが、受け入れられない容姿です。恐らくは後付け、国鉄車両設計事務所謹製ではない文字なのでは、そう瞬時に思ったですが、それだけの理由でこの字を弾くことはできない。何らかの大義名分、理屈が必要です。そこで、成り立ちを調べることにしました。

 

701系 好摩

701系 好摩

 この文字がおかしく思える点として、女偏のサイズが大きいこと、子の字の筆運びが明らかにおかしい、どうみてもこれは横方向に圧縮されています。女偏にはその痕跡がみられないことから、どうやら女偏と、つくりの「子」は別の由来だろうということを考えました。もし由来が違うなら、これは間違いなく印刷業者側で手当てした(やっつけで作った)ということがほぼ黒ですから、この字をパスする口実になりえます。

 女偏から見ていきましょうか。女偏の付く字というのはそう多くありません。まず最初に思い出すのが「妙高高原・妙寺」の妙でしょう。そして、そう「姪浜」がありますね、「姪」。あとは、姉ヶ崎寧々・・・・ではなくって!、内房線の「姉ヶ崎」、「姉」です。それから、「黒姫・姫路」の「姫」もありました。このくらいでしょうか、とりあえず1つづつ検証していく必要があるでしょう。

 (1)「妙」

 

「妙」の考察

「妙」の考察

 まずは新潟115系、ちょっと背が高くて足の長いイメージの女ですが、「好」のものとは似てもにつきません。つぎに長野115系、こちらはちょっと小柄でぽっちゃり系な女でしょうか、1画目からして違いますね。さらに14系客車ですが3画目が突き出ていないのでこれも違います。最後の荷物電車はレタリングがそもそも縦長で合致しませんね。うーん、違いそうですね。そもそも4文字駅名ですから、わざわざこの版から持ってくる必要もなさそうです。妙寺の「妙」も矢印ですので、恐らく合致は無いでしょう。

 (2)「姪」

 

「姪」の考察

「姪」の考察

 姪浜はどちらも103系唐津所属車です。大きいほうがローマ字なし、小さいほうがローマ字あり、ローマ字なしほうがちょっと近いかなと思いましたが、2画目と3画目が通して書かれるタイプなのでどちらも違うようですね。うーん、しかしこのローマ字あり(小さいほう)の姪の字は秀逸ですね。これだけでご飯3杯いけます。

 (3)「姉」

 

「姉」の考察

「姉」の考察

 姉は1駅1例、姉ヶ崎のみです。この姉ヶ崎は、房総地区113系の前面電動カラー幕でも漢字は側面と同じ版なので実質1形態のみです。見た感じ近いかなという感じはありますが、これだ!という確信を持つには遠いですね。姉のほうが痩せています。「市」のつくりが大きいので、どうも女偏がこじんまりしてますね。これではないと本能が告げています、次へいってみましょう。

 (4)「姫」

 

「姫」の考察

「姫」の考察

 さぁ姫です。これは結構数がありますね。左から右へ順に行きましょう。まずは12系姫路、これまた秀逸な文字ですが女偏が落ち着きすぎていて全然違いますね。まさに姫の品格であります。実はこの12系客車の「姫」は、縦に引き伸ばされて岡山103系の前面に転用されていました。やっぱり岡山の103系は若干手を抜いていたんですね、笠岡もやっつけで作っているし、そうではないかとは思っていました。そしてお次は0系新幹線の「姫」こちらはかなり近いですが、中央の隙間が少し狭いですね。横へ広げてもこの角度だと、どうなるか、たぶん合致しなさそうです。次は485系の「姫」ちょっと足の長さが違いますね。微妙ですが、他に候補がなければごり押しでこれだと言えなくはないですが、ちょっと説得力に欠けますね。とりあえず最後まで見てみましょうか、最後は網干の113系です。

( ^ω^)おっ?

 これは!!!、一瞬でピンときましたねこれは!。肩幅、足の長さ、背丈、どれをとっても・・・いえ、これそのものじゃないですか!?、いやいや、しっかり検証した上でなければ・・・。とりあえず女偏だけを取って並べてみましょう。並べると好摩の女偏のほうが若干幅が広いですが、その分縦方向の足が太くなっていることに気が付きます。これは引き伸ばしだ。というわけで両方の輪郭を取って、縦横比率を同じにしてみます。

 

「好」と「姫」の女偏アウトライン比較

「好」と「姫」の女偏アウトライン比較

きた!、完全な一致きた!

 やはりでしたか。どうやら好摩の女偏は、「姫路」の「姫」からパクって来ていたようです。どうせそんな適当なことをやってるんじゃないのかと思っていましたとも。字面を見れば自ずと分かりそうなもんですな、わっはっは。とはいえ、完全な一致ですからこれは疑いようがないでしょう。本家の方向幕の製作でもカトペのコピペで切った貼ったをやっていたという証拠です。こうなったら「子」の出所も調べなくては。

 というわけで「子」についても全部調べたのですが、その過程をここに書くととんでもない長い話になるので、カットしました・・・。結論としては、「これでほぼ間違いないだろう」というものは発見できたのですが、細部まで完全に一致するものは見つかりませんでした。

 

最も近いのは189系の「銚子」の圧縮であった

最も近いのは189系の「銚子」の圧縮であった

 結果だけ載せておきますが、189系の「銚子」のコマにある「子」を圧縮することで、かなり近い形に持っていくことが可能でした。ただ、横に圧縮するわけですから縦の棒がすごく細くなります。よって、これを太らせる作業を実施したものと思います。こちらの検証でも近いところまではマクロで太らせて検証しました。最後の横棒の高さが、他のコマ、例えば寝台特急の米子であったり、甲子園口であったり、近江舞子であったり、八王子であったりという多数の子の字で一致しませんでした。一致したのがこの銚子だけです。跳ねの長さと横棒の長さに若干異なるところがありますが、これは版作成時の調整が入ったものだと思います。

 全て憶測ながら、この好摩の「好」という字は、やはり取ってつけた「やっつけ」だったことがほぼ間違いないというところまで検証できたので、この文字はボツとすることにしました。「姫路」+「銚子」で、はい出来ました! って・・・本家が幕専みたいなことやってますからね。作りましょうよ、最初から・・・。

 そして、一方幕専では、「姪浜」+「甲子園口」で作成することにしました。女偏の2画目と3画目の連結については、本家のボツになった「好」を尊重して、肩を出すデザインにしました。

 

幕専の 好摩

幕専の 好摩

いかがでしょうか。「本家のほうがいい!」という声もあるかもしれませんが・・・まぁ好き好きですね。こういった細かいところにこだわるのが幕専だと思っているので、今後も納得できない形で出てきたものは検討のまな板の上に乗せていきます。今日は1コマでここまで長くなってしまいましたので、このあたりでお開きに。それではまた。