東北地区標準1 創作コマのご紹介 Part3

かんりです。東北地区標準からのピックアップの予定ですが、今日はそのうちの1コマに絞って紹介します。

1.猪苗代

 東北地区で一番悩んだのがこのコマです。猪苗代。何故悩む必要があったのかというと、「猪」の字がここを含めて2例しかない上に、1例は「キハ11系の山陽式コマ」であり電車側面用としてどうなのかという状況であったこと、そしてオリジナルの猪苗代がかなり歪(いびつ)で、生理的に受け付けなかったということです。とりあえず719系でしょうか、猪苗代の前面と、701系の側面のオリジナルを掲載しますので、まずはご確認下さい。

 

719系前面 猪苗代

719系前面 猪苗代

701系側面 猪苗代

701系側面 猪苗代

701系前面の猪苗代は側面と同じ字形を詰めている

701系前面の猪苗代は側面と同じ字形を詰めている

 
 こう言ってしまうと何なのですが「品がない・・・」の一言に尽きます。確かに国鉄書体の方向幕の文字は、少しいびつなところがあって、興味をそそられるところがあるのは事実ですが、そこには何かしらの品格というか、創造的たくらみというか、視覚に入ってきた時に訴えるものがあるのですが、この側面の猪苗代を見る限りは、それがありません。どうしてもこの「猪苗」の2文字を受け入れたくない気持ちが勝ってしまいます。実際のところ、オリジナルをそのまま用いるか否かは相当悩みました。1駅1例の原則からいけば、これを採用するしかないのです。

 しかしこの文字をパスできる口実を見つけました。先ほどの画像をよーく見てください、どうやら側面の文字は前面の文字の圧縮ではないかという疑いが出ます。推測される話はこうです、「719系が登場した時、前面幕に猪苗代が投入された、そして701系が登場した時、719系に側面幕がなかったことから701系の前面と側面用の猪苗代の版がなく(701系の前面幕の字形は側面と共通です)、しかたなく719系の字形を縦に圧縮してこれを用いた」。
 こうして考えてみると、側面用としての「猪苗代」が実はやっつけであって、前面が正なのだという理屈に辿り着きます。確かに719系の前面タイプを見るに、側面ほどの違和感は感じません。獣へンの角度も、まぁ許容できなくはないという感じです。変だと感じたのは、本来前面用としてレタリングされた文字であったのに、これを無理からに縦圧縮して用いてしまったが為であったのだと結論付けることが出来るはずです。

 それならば仕方ありません、創作するしかないでしょう。

 早速、取り掛かります。まずは「猪」ですが、獣へンはどこにあったでしょうか、そうです「厚狭」がありますね、厚狭の狭から取ってきます。そして者ですが、こちらは京都の「都」をにわかに意識しつつ、キハ11系の「猪」も鑑みながら、フィーリングで配置してみましょう。さぁ出来ました、ちょっとぼーっとしたような感じですが、まぁこれでいいでしょう。次は「苗」です。草冠は草津の「草」から拝借しましょう、田はありませんが、里ならありますね、久里浜です。里から田の部分を拝借しましょう。さぁこれで良しです。「代」はオリジナルのままで大丈夫でしょう、12系八代や矢代田に採用されているものと同じようですので、これをそのまま使います。

12系 八代タイプと同じようである

12系 八代タイプと同じようである

で、出来たのがこちら。

 

幕専 の 猪苗代

幕専 の 猪苗代

いかがでしょうか。もし側面が側面たるべくレタリングされていたならば、こうなっていたのではないかということを考えて作りました。本物とは似ても似つきませんが、そこは幕専、本物をトレースすることだけが目的ではないのでご理解を頂きたいところです。ポイントとしては、前面の圧縮を側面に用いることはやめておく、出来る限り自然になるようにするということです。共通化、これを意識していきます。

今後もこういった例は出てくると思いますが、ここが「鉄道趣味家」と「サインフリーク」の考え方の違いであるとご理解いただきたいと思います。というわけで今日はここまで、また明日は複数のピックアップをご紹介することにします。それではまた。