異端すぎた「越後赤塚」

かんりです、こんにちは。連休はいかがお過ごしですか?
連休など無い!という方もいらっしゃると思います。お察しします。

 さて、またしても後追い更新で失礼しますが、今日は北陸データに手を出していました。幕専もかなりの量の漢字を作ったので、もう殆どコピペだけで完成するデータがあってもいいのにと思いますが、全くダメです。この北陸データも、半分以上が新規アウトラインを起こす必要があり、かなりの苦行となりそうです。しかしながら、今後のデータに使いまわしが必須になっているデータ、例えば「柏崎の柏を→柏へ」や、「巻を→花巻へ」などもあるので、今後に少しづつ生きてくると思われます。
 一方で、実際の方向幕資料にはないもの、例えば「氷見」の「氷」などは作らないといけないと思っていたところ、熱中時間の撮影セットの作成のためにNHKの美術さん向けに「氷川」を作っていたので、実はパーツ化されていたといった例も。もう2年越しでやってるので、何と何を作ったかもう覚えていないんですね。あるかなと思ったら無かったり、無いだろうと思ったらあったり、1つ1つ見ていかないともう分かりません。

 密かに今日がっくり来たのが、北陸地区標準のPart1に「越後川口」が入っていなかったこと。漏れてました・・・。どうしようか悩みましたが、12系客車データに種別なしの「加賀温泉」があり、新幹線データに種別ありの「加賀温泉」があることから、「ぽ」にマッピングされていた「加賀温泉」を消去することになりました。北陸データは1データ1セットしかないので、コマが限界になっています。もう出てこないことを祈りつつ進めたいと思います。

 ちょっとしたマメ知識というか、どうでもいい話なのですが、この北陸データに編入している新潟地区の方向幕の中で、気になるものが1つ。旧国名が入る4文字行き先が5つあり、それぞれ頭に「越後」を冠していますが、なぜか1つだけデザインが違います。画像をクリックしていただければ、5つの駅名が展開されます。

越後のつく5つの行き先

越後のつく5つの行き先

 さて上から見ていきますと、「越後曽根、越後川口、越後湯沢、越後中里、越後赤塚」、この最後の越後赤塚に注目してください。パッと見た感じではたぶん、まぁ普通におかしいところは何も無いように見えるのですが、よーく「越後」だけを見ていただくと・・・。間違い探しじゃないですが・・・、お分かりになりますか? 越後の字が他のものと違いますね。この越後赤塚だけ、なぜこんな怪しい文字になっているのか、謎は深まりますが理由は不明です。他の4つと同じ版を使いまわせなかったのか、あまりにも不自然です。

 ひとつひとつの文字が寄せ集めではないかと疑って、少し資料をあさっていましたら、出てきました。元の版だろうと思われるものです。まずは「赤」ですが、

 

赤は播州赤穂の赤か

赤は播州赤穂の赤か

ご覧のように「播州赤穂」の赤ですね。これはぴったりそのままと言った感じです。間違いないでしょう。

 次は塚、これは少し自信がありませんが、どうやら横須賀総武線の113系側面の「平塚」の塚を少し横圧縮したものではないかと思います。

恐らくこの塚(横須賀総武線)

恐らくこの塚(横須賀総武線)

最後に越後なのですが、わたしの資料から一生懸命に探したものの、同じ版と思われるものは見つけることが出来ませんでした。たぶん横に拡張しているのではと思われたので、縦横の比率が均等になるように寄せてみた文字アウトラインを載せてみます。

 

出所不明

出所不明

特急用でもなさそうです。うーん、分かりません。「後」のつくものはそれほど多くありませんので、見てみましたが「羽後本荘」「後藤寺」「筑後吉井」、どれも違うようです。「越」と「後」それぞれの取得元も違うような気がしますが、どちらも真相は謎です。

 というわけで、この異端文字になっている「越後赤塚」は幕専では ボツ! となりました。他の4つの越後~~と合わせて、独自に立て直します。

 

幕専での越後赤塚の実装

幕専での越後赤塚の実装

結果がこちら。原本と同じものは「赤」のみです。塚は東海道線113系の「平塚」から。これ、横須賀総武線タイプと違う文字なんです。「越後」は前出の4つの行き先と同じ文字アウトラインを使いました。これで違和感が無くなったと思います。

幕専は実車を表現するために作っているものではなく、全国の行き先のデザインを統一した形でデジタル化し保存しようという目的ですから、こういったあまりに異端すぎるものや、やっつけすぎるもの、他と相容れない単独のデザインなどは排除していく形になります。実車と同じものを作りたいという場合には、原本に当たっていただく他ありません。。

それではまた。

前面幕の幕専の準備と考察

かんりです。後追い5日目、かなり恐縮です。

 さて、今日の話題は今後開発の予定に入っている、前面幕についての話題です。

 実は前面幕は側面幕と使われている文字に違いがあります。漢字はもちろんのこと、アルファベットも側面とは異なったものが使われています。天地幅は前面のほうが広くとってあり、デザインも独特です。この場合、昨日ご紹介したガイドの作成などから根本的に1から作っていく必要があると思っています。現在のところ、まだガイドの確立までは手が進んでいません。
 以前に首都圏標準としてリリースした前面幕は、当面の間この前面幕の開発予定がないことを鑑みて「こが先生」が暫定的に模型で使用できるものとして「側面幕版下」で作成されたものです。当面の代替としてのデータでしたから、本当の意味での前面幕のそれとは一線を画していました。今回、さらに精度の高いものとして企画している前面幕幕専はアルファベットから漢字まで新規で起こします。

 一般的な103系前面デザインにおける規準ともいうべきアルファベットが、こちらです。大船、大阪、高尾、こういった短い駅名に使われるものです。

京浜東北線 大船

京浜東北線 大船

中央快速線 高尾

中央快速線 高尾

東海道緩行線 大阪

東海道緩行線 大阪

 これでは入りきらないレベルになっていくると、次のようにどんどん幅狭の文字が登場します。しかし単に横圧縮したものではなく、狭めるレベルによって新規で文字がレタリングされ、その文字セットが存在することが分かります。これらを全部作る必要があります。アルファベットだけでも数種類あり、この基本部分をしっかりやってこその前面幕であると言えると思います。

南武線武蔵溝ノ口 アルファベットの幅に注目

南武線武蔵溝ノ口 アルファベットの幅に注目

阪和線東岸和田 アルファベットの幅に注目

阪和線東岸和田 アルファベットの幅に注目

 実は、103系前面幕の中でも側面版下のアルファベットを利用している例が一部だけ存在します。その例をご紹介します。まず一つ目は、武蔵野線の方向幕の矢印コマ、このコマではただでさえ狭い前面幕に対して、東所沢+西船橋という組み合わせとなり、アルファベットの圧縮限界を超えたのか、アルファベットが2段表記となり、ここに側面版下のアルファベットが用いられています。もうひとつの例が、岡山地区の前面幕で、こちらは基本的に側面幕のアルファベットが拡大して用いられています。これはかなり特殊な例です。漢字は103系前面幕の版下を使っているようで、糸崎の崎と大崎の崎は全く同じものです。これについては幕専では、前面標準のアルファベットを用いていくことになるでしょう。

武蔵野線 初期幕

武蔵野線 初期幕

山陽本線 糸崎

山陽本線 糸崎

茶屋町も側面版下

茶屋町も側面版下

 

 快速ロゴを見てみましょう、この快速ロゴにも系統があり、関東地区では小さく関西地区では大きいという特徴があります(関東の例外として仙石線の快速ロゴは大きいです)。さらに種別の枠の幅も、個別に異なっていますが、ここは天地一杯まで塗りつぶしが正統だと判断することにしました。

 

京浜東北線 大宮

京浜東北線 大宮

東北本線 福島

東北本線 福島

片町線 京橋

片町線 京橋

阪和線 鳳

阪和線 鳳

 前面幕については、当初開発の予定なしのスタンスでしたから、資料が少ないです。確認できていないものも多くあると思いますので、可能でしたら資料のご提供を宜しくお願いいたします。不足分については、各種開発が始まったら個別に広報していきますので、ご協力お願いいたします。

 アルファベットの無いものも実は存在していて、唐津の103系などはその例です。幕専では基本的に「全国で統一されたスミ丸ゴシックの行き先表記はアルファベット入り」という考えで作っていますので、アルファベットのないものは残念ながら作成スケジュールには盛り込まれない可能性が高いです。さらに異端なものとして、仙石線の小鶴新田などで前面にも関わらず「FOR~」が入ったものがあります。これらは共通図面の傾向から言えば前面は「FOR~」が無いのが正解であると思われ、こういった例についても幕専では共通図面の一般仕様を踏襲し、FOR無しで作成します。

FORはミスプリであろうか

FORはミスプリであろうか

 
 こういったところについての取りこぼしをどうしていくかについては、また追い追いコストを鑑みながら検討していきたいと思います。まずは標準の、共通図面ベースのデザインで全国網羅していく、この方針であることをご理解ください(単純に実車そのままの表記を再現するという目標ではなく、サインとして統一されたものをデジタルベースとして保存したいという目的からです)。従って多くの場面で実車表記と異なるものが出てくることもご容赦いただきたいと思います。

それではまた。

幕専開発の作業の流れなど

かんりです。後追いの後追いで恐縮至極です。

 今日は幕専の開発の現在の流れについてご紹介します。幕専の開発は、幕専開発計画が立案された当時は複数人での開発を前提に作業を分化していました。しかしながら、最近では実質的な開発主体がわたし一人になっていることから、大幅に作業手順を変えて開発しています。

 まず最初にしなければならないことは、データの企画立案です。幕専の立案初期に仕様そのものは確立されました。すなわち、「あ」から「ん」、「ア」~「ヴ」に駅名1つ1つのコマを作り、アルファベットと数字域に種別を配置するという基本仕様です。これによって1データあたり60程度の種別と、147の行き先が設定できるというものになりました。企画は、この限られた種別と行き先に実際にどういった内容を配置し、どういった趣向のデータにするのかということを決めていきます。

幕専コマ順案作成のエクセルテンプレート

幕専コマ順案作成のエクセルテンプレート

 たった一人では全国全駅をまとめ上げるのは恐らく不可能、ということで全国主要駅を地方地区単位で企画実装していくという方針にして、それぞれの地区で必要な駅名と種別を埋めていきます。実際に設定のあった行き先などはもちろん、JR化後にできた行き先であっても基本的には入れることでやっています。
 この作業を「幕専コマ順案作成」と呼んでいます。この作業はとにかくExcelのセルに駅名や種別を埋めてゆき、結論として先にもお話しした最大コマ数にきっちりとおさめることです。鉄道趣味の方、特に運用などを専門にされている方、鉄道史に造詣の深い方には何ということのない作業かもしれませんが、これらに疎いわたしにとっては非常に難しい作業です。
 まず最初に実在した方向幕のコマから駅名を一気に埋めていきます。そして次に、駅から時刻表などのウェブ系の時刻表データをもとに、現在の運用で存在する区間運用を調べて埋めていく、そして余ったコマにバリエーションや特殊な行き先などを埋めて、うまくコマ数を調整していきます。これできちんと全てのコマを埋めることが肝要で、これが出来ないと次の作業に進めません。

 次の作業は、「ガイド展開」という作業です。駅名とコマ位置が決まったことで、それぞれの領域に配置する駅名文字の漢字個数が決まりますね、例えば「名古屋」であれば3文字、「大阪」であれば2文字、これに対応した配置の位置きめフレーム、わたしはガイドと呼んでいますが、これを「あ」~「ヴ」の147の領域に手作業で埋めていきます。ガイドの種類は多種多様、種別のありなし、経由のありなしなどで全て異なってきますから、オートで埋めるマクロを書くことはやっていません。実際にはマクロをプログラミングしたほうがいいのでしょうが、それで確認作業をするくらいなら心を無にして、1つづつ配置したほうが早い、現実としてはこのような感じです。この作業、極めて苦しく、最後の確認作業では真っ白な画面に矩形が並んでいるだけのモニタをなるべく「まばたき」せず147コマ見送るということもあり、眉間にしわを寄せざるをえない作業です。

種別無しタイプの2文字駅ガイド

種別無しタイプの2文字駅ガイド

 

種別ありタイプの2文字駅ガイド

種別あしタイプの2文字駅ガイド

 「ガイド展開」が終わると、今度はアルファベット配置の外注です。先に「幕専コマ順案作成」で作ったエクセルファイルを発注仕様書として、それぞれにアルファベットの駅名を個別に配置する作業を、外部に発注します。これ、当然お金が必要です。わたしのお小遣いが投入されます。しかし時間はお金では買えないので、やむを得ません。仕様書がきちんとしたものでなければ困るので、ここで誤字脱字の確認などを行います。そして、エクセルファイルと「ガイド展開」でガイドを配置したTTFファイル(TrueTypeフォントファイルでアウトラインデータが入っている)と、標準アルファベットのTTFをセットにして、外部に発注します。工期は概算で1データが1週間~2週間です。

 発注していた作業が完了すると、TTFが「納品」されます。この納品物のチェックが必要です。しかしながら、チェックをしてNGだったところを修正させるとなると、手数が増えること、やりとりと時間が無駄になってしまうというジレンマがあります。同時に納期をスライドさせて別のデータをお願いしている場合もあり、ここで修正を割込させると次のデータの納期とクォリティに影響するかもしれません。そこで、ここでは上がってきたものは盲目的に「OK」と見なし、無条件で検収します。

 そして次の作業が幕専開発で最も重要な、「漢字」の作成です。先にもご紹介した「ガイド」の矩形のサイズによって、漢字のデザインを変えます。すなわち、ガイドの種類の数だけ漢字のデザインが存在します。「条」を例にとると、「四条畷」を作った時、同じ文字数の「西九条」、ガイドの矩形が同じ「西条」などは共通して利用できますが、「伊予西条」となると文字数が異なり、ガイドの矩形サイズが異なるため新しく作らなければなりません。これをコマ順案に書かれている駅名全てに対して実施していきます。作成した漢字のアウトラインは、「幕専漢字原本TT」というファイルに投入され、次回再利用となった場合はここからコピーしてガイドに貼り付けていくという作業を行います。ガイドに文字が埋まると、ガイドの矩形は削除していきます。またこのときにアルファベットの確認と微調整も行っていきます。問題があれば修正を行います。

ガイドにトレース目標を設置したところ

ガイドにトレース目標を設置したところ

 駅名が終わったら、今度は種別です。共通種別となるもの、例えば快速のロゴや、一文字種別(寝台特急の特急表記など)はコピーができます。愛称のひらがなも、ひらがな単位でセットを作っていますのでここからコピーできるものはコピーします。種別にも愛称物については一応「ガイド」があります。3~4文字までの文字サイズは縦長の標準ひらがなで同じなので、5文字以上の場合のみ調整、また2文字以下の場合も正体に調整します。

L愛称の2文字ガイド

L愛称の2文字ガイド

 さてアウトラインの全てが完成しました。ここで終わりかと思ったら、まだ作業があります。輪郭補正とニジミ処理、そしてOTF変換作業です。輪郭補正とは、部品単位で作られた漢字のアウトラインを合成する作業、ニジミ処理は合成してできた交点の直角位置に印刷のニジミを付与する作業、いずれも自動マクロで進めますが、個別の修正は全て手作業です。例えば「鳥」などの場合、部品の配置の都合上、不要な制御点が合成後も残ります。そのためこれらを削除する作業を行います。最初からニジミまで全部やっておいたものを配置すればよいという説もありますが、部品単位であれば直前の微修正、例えば「口」の字や「万」の字など天地幅が行き先漢字の組み合わせによって上下させた方が良いものを、その場で修正できるという利点があります。

輪郭結合前の「南」の部品群

輪郭結合前の「南」の部品群

輪郭結合とニジミ処理を終えた「南」

輪郭結合とニジミ処理を終えた「南」

 ここまで出来れば、ほぼ完成したも同然です。最後の作業として、OTFファイルへの移殖を行います。TTFからOTFへの全コピーが完了すると、幕専OTFファイルが完成します。なぜTTFで作ってOTFへコピーするのかという疑問が出ることかと思います。実際に作業していただいたら一番分かりやすいのですが、制御点の制御方式がTTFとOTFでは異なります。手作りでアウトラインを処理する時、TTFのほうが圧倒的に作業が楽、かつスピーディなのです。時間は一番大切、ということでTTFベースで作業します。

 こうして全ての作業が完了しましたが、印字見本PDFを作らなければいけません。またExcel作業です。これをPDF出力し、1コマづつ目視確認をしていきます。アウトラインが潰れていないか、アルファベットが正しいか。しかしながらこの辺りで既に気力も集中力も限界に近いので、少なからず漏れが生じてしまいます。そして見本PDFを公開し、ユーザの皆さんからご指摘を受けて修正するというという、最後の最後のブラッシュアップを実施して幕専の1データが完成します。

エクセルでコマ一覧表を作成している様子

エクセルでコマ一覧表を作成している様子

コマ一覧表をPDFに出力した様子

コマ一覧表をPDFに出力した様子

PDFにしたコマ順一覧を拡大して細部を確認

PDFにしたコマ順一覧を拡大して細部を確認

 特にどうでもいい話を長文で申し訳ないです。幕専は今までも、そしてこれからも無償を目指していきますが、その根底にあるのはアナログデザインの保存、文化への貢献(著作権法の真髄である)という大儀があるからこそやっている作業です。タダほど高いものは無い、そういう類のものだと思います。今まで公開していた「国鉄方向幕ロゴ」が公開停止になったのも、そのクォリティの低さゆえ幕専に統合させたからですが、そういった成果物へのクォリティは「顧客意識」につながるものとして重要視しています。完成度の低いものをユーザ各位が使い、それで満足されるということがベンダーとしてのわたしからすれば申し訳ないし、歯がゆい。内外ともに「Excellent」と評価されるものを作りたいと思っています。

 <現在の作業予定について>

 現在の幕専作業は、年内リリース予定品の漢字作成作業です。新幹線→北陸→中電東→東海→東北→北海道、この順で予定しています。とりあえず当面は地味な漢字作成作業が続きます。
 また、あわせて年内にやってしまいたい「客車テールマーク」についても並行になんとか作業を組み込もうとしているところです。大変ありがたいことに、客車テールマークについてはかなりの資料をご提供いただきました!!!ご提供くださった各位に心から御礼申し上げます。
 「さくら」「あさかぜ」この辺りの「当たり前」の部分はわたしが購入したもので事足りましたが、「銀河」や「なは」「かいもん」「日南」そしてなんと「ちくま」「だいせん」の絵幕までご提供いただいて揃いました。「まりも」「天北」などの北海道系も完璧です。早く仕掛かりたいという気持ちも強いのですが、側面完遂という大儀もまたあります。作業スケジュールが決まり次第、随時お知らせしていきたいと思います。

 テールマーク幕専が完成すれば、愛称板幕専(号車札含む)をあわせ、模型用デカールの大部分を幕専で代用できるようになり、鉄道模型界への大きな革新が起きることは間違いないでしょう。市販シールではどうしても表現できなかった世界を大幅に超える表現が可能になるだろうと思っています。幕専はNゲージとHOゲージというサイズの規格に縛られませんから、どちらも作り手使い手の意のままに扱えます。極端な例を取るとプラレール(登録商標です)も対応可能でしょう。特殊な媒体を使えば、タオルなどの繊維媒体にアイロンで印字するデカールも作れますし、車体に貼るカッティングシートも作れるでしょう。この機動力でもって、テールマーク、ヘッドマーク類が完成すれば、鉄道模型界のデファクトスタンダードは目前だと確信しています(特にこれが目的な訳ではないですが、副産物的な利点としては大きいと思います)。
 また、ロールズ公認のサードパーティ製の方向幕シールの販売も行われるようです(ロールズとしては商品化許諾のみ行います、すでに許諾済メーカーさんも登場しています)。今後の新しくリリースされる幕専と連動して、新商品もでてくることになるかもしれませんね。アウトラインフォントを使った、より精度の高いものが市場競争に参加していくことは、業界全体での関連商品のクォリティアップにも寄与するものと思います。当然、個人の方でもご自身で作成される場合のツールめいたもの、補助的なものも用意していきたいと思っています。

 大幅な遅れがあったとはいえ、これまでも各種幕専や国鉄方向幕書体について、ユーザ各位に約束したものをしっかりリリースしてきました。できるかぎり有言実行していく、世の中の役に立つものをリリースしていく、日本の文化に貢献する、この心でやっていきます。

 ひとりでできる作業には限りがあります。みなさんも大変お忙しいでしょうが、もしちょっとした暇ができるようでしたら、確認作業だけでもご協力いただければ幸いです。また、資料幕のご提供などで協力を頂いている方々もいらっしゃいます。今より少しでも良いものを、完成度をめざしてがんばりたいと思いますので、今後ともご協力方宜しくお願いいたします。

211系前面方向幕

かんりです、今週は後追いですみません。

 今日のご紹介は211系の前面幕、東海書体仕様です。関東地区で活躍する211系は、前面幕がありつつもそこに表示するのは種別のみです。すなわち「快速」であるとか「普通」であるとか。しかし東海地区では、行き先駅名を表示することを考慮してコマを配置してあります。いろいろなところで資料を読むと、普通列車の場合に使用するようです。ということは快速の場合は、快速ロゴを表示するのでしょう。

 悲しいことに関西には211系がいませんが、もし居たらという設定での模型ジオラマも幕専を使えば万事解決です。

 宣伝はここまでにしておいて、実際の内容を見てみます。最初に違和感を感じるのが、「南木曽」の位置です。一般的に種別は前半に固まって配置されるのが通例ですから、回送、臨時、普通、とくれば、大抵は臨時か団体か快速か急行か、といった具合ですが何故か「南木曽」。これは何か別のコマが消えたのではないかと思えます。01番から20番までしかありませんので全て埋まっている、ぎりぎりといった雰囲気です。。

 体裁は、国鉄時代の103系のものと配置や縮尺もかなり似ています。国鉄表記を踏襲したと言えると思います。幕の幅は103系の同期進段のものより若干短く、700mm未満です。東海地区の211系側面幕は、760mmだったでしょうか、103系や115系などの機械には入らない大きさですが、この前面幕は103系の前面幕機械でも取り付け可能のようです。ただしバーコードの位置は左右逆ですし、同期式の穴はないので、京葉線で使われたバーコード改造タイプの機械などが理想でしょう。高崎東北線の211系機械などでも使えるかもしれません。

 東海仕様の漢字を見ていると、どうやら漢字の版としては「正体」しか存在しないようで、縦や横に圧縮となった場合の配置には、正体の文字を直接引き伸ばしたり押しつぶしたりしたものが使われています。そのため縦と横の棒の太さが異なっています。これは電車バスに限らず、多数の表記サインでデジタル書体ベースで文字配置されているものに共通の特徴です。
 わたしはこれが実はあまり好きではありません。縦長の配置なら縦長でレタリングした文字を、横長であればそのようにレタリングした文字を、それぞれ使わないと美しさが引き立ちません。国鉄書体は、これをきちんとやっているからこそ美しく見えると思っています。
 なぜ今のデザインではこれをやらないのか、単純に正方形でデザインした文字セットであるデジタルフォントを使っているからでしょう。デザインの現場で1書体をまるごとレタリングするということは、コスト的に無理があり、やらないのだと思います。使用する文字×製造期間となれば時間的コストと経済的コストは計り知れないものがあるのでしょう。しかしながら、美術・デザインという意義において、機能美という命題においてそれでいいのか。商品のパッケージロゴまで最近はこの市販書体でやっつけたようなものが出ている。何とも情けないと思いませんか。
 昭和の中期には、看板屋さんは1人1人みんな職人としてレタリング技術をもった人間ばかりだったと思います。それが今は市販書体をマウスクリックで引っ張ったり縮めたり、それでデザインが出来ていると思い込んでいる若者ばかりです。これが市場主義の弊害なら、日本のいろいろな文化もそのうち消えてなくなっているような気がします。職人が消えた日本、想像もしたくないです。

 さぁまた話が脱線してしまいましたが、前日と同様に、デカールやシールを作りやすいように、縮小可能な大きな画像を各コマベースでつなげてアップしました。本物なので煤汚れがあり、コマによっては汚いですがこれはご容赦願いたく、画像編集ソフトなどを使って煤を取り除いてください。ホームページのサーバ容量の関係で、予告無く画像は削除する可能性がありますので、模型に今後使おう!と思われた方は早めに保存してください。

211系前面方向幕

211系前面方向幕

 ※ブラウザによっては縦方向に縮小されて表示されますので、画像の拡大表示をされるか、別途保存してペイントなどで等倍で確認願います。

 残念ながらエキスポシャトルの入った前面幕は入手できませんでした。そのため、側面のロゴを拡大したものをアップしておきますので、これを代用としてください。

快速エキスポシャトル

快速エキスポシャトル

 

エキスポシャトル

エキスポシャトル

明日は、ちょっと趣向をかえて、幕専開発の流れみたいものをご紹介しようと思います。それではまた。

JR東海211系側面方向幕(幅太エキスポシャトル/神領)

かんりです、今週は後追いですみません。

 今日のご紹介はお待ちかねの「エキスポシャトル」入りの側面方向幕で、「211系5000番台3次車」という肩書きの幕です。形式だとか番付だとか本当に分からないので、いつもの通りwikipediaを見に行ってきましたところ、1次車、2次車、3次車以降のそれぞれで方向幕の仕様が違うそうです。東海地区には方向幕の天地幅が非常に短いタイプがありますが、それは2次車タイプだそうです。今回入手したものは縦幅が113系などと似通ったものなので、3次車以降だそうです。あと、マジックで編成番号が書かれていまして、K18となっていました。鉄道趣味の中でも、改造や改番、配置転属といった車両史を専門にされている方々のテリトリーだと思われます。

 さてここで大変面白い例が出てきました。後半のコマですが快速のロゴにご注目、なんと従来より傾斜が浅い独特のロゴになっています。なぜ従来の表記が利用できなかったのか、そこがまず最大の謎ですが、新しい版下を作る時に何らかの判断があったものと思います。この新しい快速ロゴは、どうやら従来幕の「通勤快速」ロゴの「快速」部分から出来ているようです。普通に快速ロゴを使わず、あえて通勤快速から快速の字だけをもってきた真意は何だったのか、新たなミステリーが生まれたといえます。

 さらには製造番号ですが、小糸製のものは従来は西暦下2桁から書き始めるスタイルだったのが、ついに2000年を境に4桁にしたようです。2004-12となっています。2004年の12月の意味だとすると、これは万博開場の半年前に竣工済だったということになりますね。

 あとは稲沢停車の注釈が1コマだけ存在していますが、ローマ字の下になっていますね。これは近鉄電車の表記と同じです。国鉄型ではローマ字と漢字の間に注釈用の余白を入れますから、なぜここをあべこべにしたのか、その理由が知りたいところです。私見ですが、「稲沢」と「停車」の文字バランスがちょっと変な気がします。別の書体でしょうか?、判断が悩ましいところです。他にも、矢印コマが片矢印のためデルタに置き換わっている例など、過去に例のない表記が誕生しています。万博終了とともに駅名が変更されることから、万博八草とは別の「八草」を単独で持ち合わせている点もポイントでしょう。

 前日と同様に、デカールやシールを作りやすいように、縮小可能な大きな画像を各コマベースでつなげてアップしました。本物なので煤汚れがあり、コマによっては汚いですがこれはご容赦願いたく、画像編集ソフトなどを使って煤を取り除いてください。

 一応、幕専の東海地区標準に「エキスポシャトル」のロゴは入る予定ですが、ローマ字は大文字になります。また「万博八草」のコマが現状ありません。どこかに隠して入れるかもしれませんが、こちらもローマ字は大文字にあるので、本物を表現するという意味では使えないと思います。そういった意味で、こちらでアップした本物の画像を縮小して使ってください。ホームページのサーバ容量の関係で、予告無く画像は削除する可能性がありますので、模型に今後使おう!と思われた方は早めに保存してください。

2004-12 KOITO-SP12-256 211系側面幅太 / 神領

2004-12 KOITO-SP12-256 211系側面幅太 / 神領

 ※ブラウザによっては縦方向に縮小されて表示されますので、画像の拡大表示をされるか、別途保存してペイントなどで等倍で確認願います。

 明日は、211系東海の従来幕の前面幕を紹介します。それではまた。

JR東海211系側面方向幕(大垣幅太タイプ)

こんばんは(こんにちは?)、かんりです。すみません、また後追い更新になりました。
毎日見てくださっている方、いらっしゃったら本当に申し訳ないです。後追いでも全ての日を埋める予定ですので懲りずにまた見ていただければと思います。

 さて今日の話題ですが、つい最近からJR東海が主催するイベントで多くの廃品方向幕が販売されているということで、近年の実装幕についても流通し始めたようです。ロールズでは今のところ東海書体のアウトライン化の作業予定はないので特に集めてはいなかったのですが、資料として今後役に立つことがあるかもしれないということと、日ごろからお世話になっている鉄道趣味(特に模型趣味)の愛好家の皆さんが、ご自分でシールなりデカールなりをお作りになる、そういった際の手がかりになるようなら、これはこれで大変有意義だろうということで、いくつかの東海書体幕を入手してきました。
 しかし忙しい身なので当然イベントなど参加できるわけもなく、部品販売店やオークションに頼らざるを得ません。。

 どうせ入手するならやっぱり国鉄型だということで、購入したものは211系のものです。今日ご紹介する幕は1996年製のもので、国鉄書体から完全に東海書体(JNR-L)に置き換わった最初の世代のものだと思われます。元々は全て国鉄書体でしたが、まず先に枠ロゴがベタロゴに変わり、ついでローマ字だけがJNR-Lに変更となり、そして最後に漢字もJNR-Lに変わったという経緯がありますが、その最終世代でしょう。東海地区の運用範囲は非常に広く、東海道本線に中央線、関西線など、広範囲な行き先が70コマに収まっているのが特徴です。快速ロゴがベタロゴになっているのも特徴で、緑快速と青快速が共存するという点も独特だと思います。なお、この緑快速は、後に区間快速に変更されたことからその姿は消えてしまいました。色によって快速区間が異なる別種別となる快速があるのは、他に仙石線などの例があります。

 詳しく内容を見ていくと大変面白いことに、「試運転」「急行」が入っています。この2コマは現在の実装幕はもちろん、2000年時点であっても既に存在しないものです。東海書体の「試運転」「急行」、面白いですね。コマの内容はかなり色々あるのですが、注釈のあるコマはありません。単独種別としての「新快速」「区間快速」「通勤快速」が存在していません、あるのは青快速のみです。しかし、行き先個別のコマでは緑快速がいくつか存在します。通勤快速も存在するようです。1999年の更新で緑快速は「区間快速」に降格(?)し、特別快速が新設されることになりますから、1996年から1999年までの3年間のみ働いた方向幕であると思われます。
 
 JR東海の場合、国鉄書体混在期を除いて全ての車両がこのJNR-Lをベースとした東海書体で体裁が完璧なまでに統一されています(一部末梢ローカル線の123系109系等を除く)。そのため大変見やすくすばらしいと感じます。ただ、収集家の人たちからすればどれも似たり寄ったりで特徴がなく、つまらないという印象を持つ方も多いようで、鉄道部品としての古物価格はかなり安いという状況でした。エキスポシャトルが登場して、はじめて注目されたというような印象もあります。しかしながら、この例のようにたった3年しか使用されなかった幕もあれば、同形式でも番代単位で仕様が違ったりと、どれもこれも似ているだけに見逃しやすい違いが非常に多くあり、史実資料として集めるとなるとかなり大変でしょうね。

 これらもいずれ、LEDなどになっていくのでしょうか。

 というわけで、デカールやシールを作りやすいように、縮小可能な大きな画像を各コマベースでつなげて画像をアップしました。本物なので煤汚れがあり、コマによっては汚いですがこれはご容赦願いたく、画像編集ソフトなどを使って煤を取り除いてください。ホームページのサーバ容量の関係で、予告無く画像は削除する可能性がありますので、模型に今後使おう!と思われた方は早めに保存してください。

96-1 KOITO-SP12-256 211系側面幅太 / 大垣

96-1 KOITO-SP12-256 211系側面幅太 / 大垣

 

 ※ブラウザによっては縦方向に縮小されて表示されますので、画像の拡大表示をされるか、別途保存してペイントなどで等倍で確認願います。

 明日は近年の「愛知万博」に使用された幕を紹介します。それではまた。

消えていった「天鉄書体」

こんばんは、今日はミステリーハンターのかんりです。

 今日の話題は国鉄の方向幕に関する話題です。全国津々浦々まで統一されていった国鉄のスミ丸ゴシック表記の方向幕、当たり前のように何処でも見られたわけですが、実はそんな中でも一部では面白い別の字体が存在していました。恐らく方向幕フリークの方々の中でも、有名にして異端とされるのが「天鉄書体」と呼ばれる異様な字体です。
 面白いことに、旧国鉄体制下で天王寺鉄道管理局の管轄範囲でのみ積極的に使われたようです。どういった書体か、1枚目の画像をご覧下さい。特徴としては、スミ丸ゴシックではなく、丸ゴシックであること、そして執拗なまでに縦長であること、文字の筆運びに滑稽さを持たせていること、などです。また、表記の基本として相矢表記であること、矢印ではなく棒であることです(この棒表記は関西私鉄においても標準的表記であった)。101系、103系、113系、165系などで用いられたようです。
 鉄道趣味家の方々ならご存知の、165系新宮夜行がまだしっかり健在だったころのものだと思います。
 そもそも丸ゴシックな上に、全国でスミ丸ゴシックを統一してデザインしていた「国鉄車両設計事務所」の共通図面字形とは大変かけ離れたデザインですから、かなり異様です。なぜこれを採用していたのか、大人の事情や政治的理由があったのか、それは分かりません。しかしながらこの「天鉄書体」は、誰にサヨナラを言うわけでもなく、気が付いたときには人々の前から消えていました。

天鉄書体の113系前面方向幕

天鉄書体の113系前面方向幕

 そして謎が残ります。天鉄書体はどこへ行ったのか。

 まず今日の国鉄書体の動向を振り返って見ますと、ごく近年まで東海道山陽線の緩行線は201系と205系、いち早く引退した113系も含めて、スミ丸ゴシックが健在でした。これらは車両設計事務所の図面ベースでした。またそれより少しさかのぼると、大阪環状線、関西線、阪和線なども103系で関東と共通図面ベースの、アルファベット併記となったスミ丸ゴシックを使っていました。これが1990年代末期ですから、たぶん1990年代にはもう天鉄書体は消えていってしまっていたということになるのでしょうか。
 わたしが高校生だった1997年ごろには既に関西線の赤い113系は姿を消していまして、環状線内で見た113系といえば確かまだ和佐行として運転されていた阪和線直通快速くらいのものでした。桜島線は6両編成でしたが103系でした(銀色の扉の環状線とは違い扉に白の化粧板が施されていて、どうして支線の方が豪華なんだろうかと思った記憶があります)。しかしながらどちらもスミ丸ゴシック表記だったと記憶しています。
 関西線103系は今と同じように環状線に乗り入れていましたし、学校帰りはいつも区間快速の大阪環状線外回りでした。この帰りの103系は緑色だったり橙色だったりするのですが、前面の幕のサイズと表記が微妙に違うものが(確か3種類ほど)混じっていました。それでも「天鉄書体」は見たことがありませんでした。当時は、まだ側面方向幕がない車両が結構いましたので前面のみが手がかりになることが多かったので、見かければ分かりそうなものです。

 昔話になってしまいましたが、当時、大阪近郊の路線は結構目玉ニュースが相次いでまして、例えば1994年には高架線の環状線今宮駅完成、湊町駅のJR難波改称、関西空港線の開業と大きな変化が起こっていました。さらには1996年に片町線から103系が撤退したそうで、これは関西では片町線からいち早く国鉄書体の方向幕が消えたということになります。(実際には207系の初期の種別幕は国鉄書体でしたから、一部は種別で残ったと思われます)。こうしてみると、やはり1990年にはもう「天鉄書体」は存在しなかったのではないかと強く感じられます。

 天鉄書体最後の手がかりを追いました。

 まず、113系のものと思われる天鉄書体の方向幕ですが、末期には色コマをビニールシールに印刷して貼りつけたコマが登場しています。これはローマ字併記がなく、いびつな体裁とはいえ既にスミ丸ゴシック化されています(写真2枚目)。ということは、丸ゴシックの天鉄書体はスミ丸ゴシックに吸収されていったということでしょうか。これによく似た雰囲気のシールコマが和歌山線の105系にも残っていました(写真3枚目)。恐らくこれらは1980年代のものと思われ、追加される前の配置時のコマは既にスミ丸書体の図面ベースで矢印表記であったようです。これを足跡だと見るなら、もはや既に1980年代にも「天鉄書体」はスミ丸ゴシックにおされ、消えてしまったと考えられます。

天鉄書体の113系前面方向幕に加えられたシールコマ

天鉄書体の113系前面方向幕に加えられたシールコマ

 

和歌山線105系前面方向幕に追加されたシールコマ

和歌山線105系前面方向幕に追加されたシールコマ

 いろいろ調べている中、ついに最後の足跡となると思われる方向幕を見つけました。阪和線の電動方向幕仕様の1本です。最初にこれを見たときは、民営化と混乱の最中どこかでやっつけで作られたものだろうかとさえ思ったわけですが、よーく調べてみると・・・ありました!手がかりが!。

113系天鉄書体の1コマ

113系天鉄書体の1コマ

103系の謎の書体のコマ(天鉄書体?)1

103系の謎の書体のコマ(天鉄書体?)1

103系の謎の書体のコマ(天鉄書体?)2

103系の謎の書体のコマ(天鉄書体?)2

 というわけで画像を貼ります。4枚目の画像が天鉄書体113系のコマ、5枚目と6枚目が問題の103系の方向幕のコマです。よーく見てください。これはすごい、明らかに天鉄書体を無理やりスミ丸ゴシックに置き換えたような書体になっています。レタリングの傾向は非常に似通っています、しかもなぜか歪んでいます。快速ロゴそのものも図面ベースの綺麗なものとは対照的に極めていびつで、手書きで真似したような代物です。実際に図面ベースの幕を装備した車両もいましたから、早速比べてみましょう。

共通図面ベースと思われる103系のコマ1

共通図面ベースと思われる103系のコマ1

共通図面ベースと思われる103系のコマ2

共通図面ベースと思われる103系のコマ2

 共通図面ベースの新製幕の同じコマを7枚目と8枚目に掲載しました。これぞまさしく国電オブ国電の表記、103系の最もオーソドックスな表記です。アルファベットも京浜東北線と全く同じです。そして製造はコロナ宣広社、千葉のメーカーでした。
 先の天鉄書体崩れのものも、この千葉で作られたものも、どちらも快速東岸和田のコマがありません。従ってダイヤベースで考えると、どちらも東岸和田を快速停車駅とした1980年代付近、快速東岸和田とJR難波加刷より以前のものなると思われます。やはり1980年代に天鉄書体の消失点が存在しそうです。

 色々と手がかりを手に入れてみて思うことは、天鉄書体が最後には103系の前面幕のようにスミ丸ゴシックベースに無理やり改変してまで存続を図っていたということ。これは特筆すべきだろうと思います。1987年に国鉄が解体、その後の方向幕には天鉄書体に変わって、「西日本書体」とも言うべき新たなアプローチでレタリングされた書体が使われるようになりました。画像9枚目、10枚目、11枚目に画像を載せます。これらは近年のJR西日本の「黒色幕化と市販書体採用」までの過渡期に使われました。スミ丸処理が施されているものの、共通図面の文字とは明らかに異なる特徴を持っています。最終的にはこのデザインで統一されることはなく、特に注目されることもなく消えてしまったのですが、もしかしたらこの書体こそが天鉄書体の後を継いで生まれた後継書体だったのではと考えてしまいます。もしこの書体で「永原」のコマが実在していれば、「永字八法」のエッセンスを抽出し、書体を復元できるかもしれません。まぁ、誰が得をするのかという話ですが・・・・。

JR西日本書体? 1

JR西日本書体? 1

 

JR西日本書体? 2

JR西日本書体? 2

 

JR西日本書体? 3

JR西日本書体? 3

 サインと文字の世界、ただ鉄道に限った範囲に絞ってもこれだけ深い、本当に広い世界ですね。だらだらと書いてしまいましたが、ここで本日の記事はおしまいです。おおよそ廃品として出回る方向幕を手にとって憶測で書いているだけなので、もしかしたら事実と異なることがあるかもしれません。お気づきの点がありましたらコメントにてご指摘頂ければと思います。宜しくお願いいたします。

幕専 新幹線810-01 開発近況

こんにちは、かんりです。

 幕専の新幹線810-01に着手しています。ひらがな域の消化が85%くらいでしょうか。新幹線データは、一応企画データ扱いになってますが駅数が少ないので、実質全ての駅が入る路線データと同じような体裁になっています。路線データとの違いは、デザイン違いのバリエーションが入らないということです。未完成路線、台湾高鉄もふくめてやっと全てが埋まるというコマ数なので、これで丁度良いだろうと思っています。

 順調に作業を進めていますが、懸案が1点。恐らくですが、原典図面上の「行き先の幅」が、一般的な特急や快速の方向幕より狭いのではないかと疑っています。しかし幕専は仕様上の幅が既に決まっているので、これと異なる実装にはできません。従来の在来線の方向幕と同じ仕様(種別の幅と行き先の幅の割合について)で作っています。たぶん、模型レベルでは大きな違和感はないと思います。また、3文字行き先、4文字行き先の場合でも大きな違和感は無いと思います。2文字行き先の時の間の余白が広く見えるのが、一番目につくところかもしれません。

 逆にこの仕様の共通化のおかげで、他のデータと組み合わせて使用することも問題なくできますので、「こだま和歌山」とか色々ありえない表示を作ることは簡単にできます。また、種別あり幅の行き先のうち、2文字駅名の漢字を「特急幕の文字幅」で作っていますので、例えば「敦賀」や「雫石」「浦佐」といった駅のように、他のデータでは普通列車の快速表示サイズで作られる(種別ありの2文字駅名の漢字が、種別なしと同じ幅広のものを配置する)ものについては、特急用の代替として唯一使えるデータになります。
 もともと普通列車系の幕と特急系の幕は、2文字駅名の文字幅が異なります。普通列車系の幕は、種別がないタイプの漢字デザインがメインになっていて、快速は後付のロゴです。種別がある場合でも漢字の参照は「種別なし」のタイプと共通になるので同じです(例外:武蔵野線のハーフ枠快速、北海道7xx系快速表示)。一方で特急は、図面上では種別と愛称ありきでデザインされ、種別がない場合の行き先は考慮されていません(種別が無い場合は普通列車系のデザインを使うようです、ただ国鉄末期からJR移行後は使用図面の関係で種別があっても普通列車系の文字デザインを使う例もあります:北海道781系特急、14系海峡使用編成、189系中央線特急など)。
 幕専ではこの「種別ありの場合の2文字駅名漢字」について、特急と一般で厳密に分けて作っています。普通列車系の場合は「幅広」、特急系の場合は「正体」といった具合です。こだわる人にはこだわって欲しいところです。

 実在しないコマも続々と完成していっています。「安中榛名」・・・ありえません、こんなところで終わってしまっては困りますね。「岐阜羽島」こちらも非常に困ります、せめて米原まで行って欲しい・・・などなど、一応全ての駅が入っているはずなので、並行在来線がある場合には連絡列車を妄想したり、それ以外では地震によって長期間部分運休があったという脳内設定のもと、使ってみたりということができるでしょう。
 参考までに出典を書いてみます。「安」は安房鴨川から、「中」は中軽井沢から、「榛」は実在しないので特急くろしお湊町から改変、「名」は名古屋から。「岐」は特急みどり早岐から改変、「阜」は普通列車タイプの岐阜から改変、「羽」は普通列車タイプの赤羽から改変、「島」は西鹿児島から。なるべく実在する幕の1コマを意識しながら漢字を選んでいます。どうしてここまでこだわるのか、そう指摘されるくらいではないと本物を凌駕する品質は保てないと思っています。

 種別が完成した段階で、印字見本も公開してみます。それではまた

開発中のアウトライン「安中榛名」

開発中のアウトライン「安中榛名」

開発中のアウトライン「岐阜羽島」

開発中のアウトライン「岐阜羽島」

丸ゴシックのバリエーションを楽しむ

かんりです、こんばんは。
今日の話題はまたバス幕に戻ります。

 色々と集めている丸ゴシック、いくつかのバス幕を撮影し精査していくうち、どうやら主流となる書体が2つほどあるのではないかという仮説に行き着いています。いずれもわたしは「谷」の字を精査の規準にしています。バスの方向幕には、この「谷」の字がかなり多く現れてきますが、「橋」と違って画数が少なくて見やすく、左右払いの兼ね合いから字の幅を確定するのが難しい文字なので各書体に独特な特徴が現れやすいようです。他にも「小」や「島」なども頻出かつ字の大きさ調節が難しい文字なので、いろいろと目安になります。資料として購入する以上、数打ち当たるでは困ります。前もってこれだと確信できないと、出費の覚悟はできないというものです。

 そんなバスの丸ゴシックですが、2種類の書体で同じ行き先がプリントされた幕を見つけました。撮影したコマを掲載しますのでご覧下さい。これは都営バスのようですね、面白いです。幸運なことに、頻出漢字である「東」「島」「駅」「橋」「小」「役所」といったところが一堂に会しています。さらに別のコマでは「谷」が出ていました。1枚目の書体の谷を上に、2枚目の書体の谷を下にそれぞれ掲載しましたのでご覧下さい。わたしが今、熱心に探しているのは上タイプなのですが、確かに遠目や小さな写真では見分けがつかない資料も多い中、こうして「谷」の字さえ見つければ絶対と言える確信が得られるのです。
 この谷の字、各書体によって大きな特徴が出るようです。最近よく使われる丸ゴシックの市販書体になると口が大きくなります。国鉄の電車方向幕に使われてる字体でもいくつかありますが、かなり特徴的です。原因としては冠(または天辺となる横棒)がないので上下幅が他の文字に比べて低く見えがちなので、上の2点の処理がシビアになること、そして先にも書きましたが左右の払い、これが短いと全体的に小さく見えてしまうため、正方形の中にデザインするときこれは非常に難しいのです。
 バランスを調整するには払いを伸ばすか、口を広げるか、ナール体は払いの曲線を抑え口より上の高さを上げることで対応しているようです。前述の丸ゴシックでも、1枚目の書体では払いを長くして対応、2枚目の書体では口を高くして払いを2点ぎりぎりまで上げて対応しているようです。レタリングの傾向と対策といったところでしょう。同じような調整を要する文字としては、「名」も難しいです。

 普通に生活し、普通に読み書きする分には「文字のかたち」などどうでもいいと思います。ただ、一度でもこの「文字を見る楽しさ」に取り付かれてしまうと大変です。文字そのものに目が行ってしまうのですね。ただ単に「書体専門」のフリークもいますが、より広く、そして構図という概念を重視する人達は、サインフリークになっていきます。LEDという限られたドット数の中でいかに表現するかとか、どうでもいい細かいことが気になってしまいます。切符に印字された全体の構図を見て一喜一憂し、古い定期券を見てニヤニヤしてみたり、いわゆる切符収集の趣味家にも「その気」がある人がいらっしゃるものと思います。
 構図鑑賞の最たる例が、牛乳キャップです。同じ大きさの真円の中に、絶対条件である「公正ロゴ」そしてその他をいかにデザインするか、ここが面白いわけです。その手の通になると、酒瓶の蓋のロゴを集めたりとか。同じような例としては、マンホールのデザインも該当するでしょう。あるいはそこから市町村章というロゴの世界に入っていく人もいるようです。
 わたしの場合は文字レタリングと構図というかなり広い世界を上から見ているようなイメージなので、牛乳キャップしかり、方向幕しかり、ビックリマンしかり、街区表記しかり、交通標識しかり、いろいろな趣味世界にまたがっているようです。

 さて、また話が脱線してしまいましたが、最後に同じ都営バスの幕の1コマを紹介して終わりにしたいと思います。5枚目の画像になりますが、よーく見てください。どうですか?お気づきになられました?、ええそうです。リハビリテーション病院のローマ字併記です。
 まさかの「E」に長音符号も異例ですが、この表記であれば英併記する意味がまるでないと言わざるを得ないですね。これぞ蛇足の王様といったところでしょう。しかも日本語表記は縦書きの2行が左から右に折り返すという意味不明さです。日暮里駅は、NIPPORI STA.とされていたのに、どうしてリハビリは・・・と言いたくなります。統一性がないとこうなってしまいますね。実際にホームページのドメインを見てみたのですが、「www.tokyo-reha.jp」。東京リハ・・・。先日の記事ではないですが、この場合「必要最低限」が成ってないといえますね。
 サインとはどうあるべきか、考えされる1コマでした。それではまた。

都営丸ゴシック1

都営丸ゴシック1

都営丸ゴシック2

都営丸ゴシック2

都営丸ゴシック1の「谷」

都営丸ゴシック1の「谷」

都営丸ゴシック2の「谷」

都営丸ゴシック2の「谷」

Eの長音符号は異例である

Eの長音符号は異例である

やはり715系の方向幕は違った

かんりです、こんばんわ。
更新する暇がなかったので、後追いで記事を埋めて行っていますどうかご了承の程。

 さて今日は鉄道方向幕の話題です。国鉄型車両でも絶大なる人気を誇る581/583系。この側面方向幕は、国鉄型の中では例外的に正方形の形をしています。最も有名なのは、変則的な配置をもった矢印幕でしょうか、数日前に紹介しましたが面白い表記です。しかし元々は上段に愛称、下段に終着駅というシンプルな表示だったということです。みどり号の1コマを例に挙げておきます。
 実はこの表記の行き先部分、485系の側面表記と共通版下を用いています。にちりん大分のコマを本文下に掲載していますので見比べてみてください。

 この58x系、全盛期をすぎると余剰になっていきます。そして遂に改造され、普通電車に格下げになってしまうのですね。そこで715系や419系という形式が登場します。中身は普通電車、外見は58x系の面影を残す不思議な電車です。北陸地区では今でも「食パン電車」などと呼ばれて活躍していますが、九州や東北地区にいたものは消滅してしまったようです。
 普通電車ですから、当然愛称のない普通電車としての方向幕を装備するわけですが、この時の標準的なデザインとして、先に紹介した「愛称上段、行き先下段」の表記から愛称部分だけを取って中央に寄せたものが使われていたようです。青森のコマの写真をご覧下さい。
 要は、485系などと同じ版下なのであるから、幕専でこれを表現したければ、種別ありデザインの駅名を単独で印字すればそれで事足りるだろう、そう思っていたんですね。青森のコマを見ても、特に485系側面のものと違和感が無かったわけです。

 ところが、715系専用といわれる方向幕を実際に手にとって見て驚きました。なんと天地幅が拡大されて、文字が大きくなっているんです。幕そのものもバス幕にある箔式のような検知部分があります。なんとこれでは、485系の種別ありコマを単独印字したものでは役不足であるばかりか、しかもこの専用幕のほうが視認性も良さそうです。画像は肥前鹿島の画像をご覧下さい。
 これは大変だということで、いろいろなホームページを見て回ったのですが、どうやら419系と715系東北タイプには、この天地拡大のデザインは見られないようです。さらに九州地区の715系であっても、ほとんどがこの天地拡大デザインではないものになっています。しかし一部は確かに天地幅が拡大されています。今までの特急方向幕の版下の使い回しではなく、新たに版下を起こしたとしか思えないものです。

 大変興味深いのは、ローマ字のタイプです。最も短い駅名の「多良」であっても、一般的な485系などでみられるローマ字より幅が狭く縦長なものが使われています。大変手が込んでいるのです。現在の419系の方向幕を紹介されているホームページがあり比べてみたのですが、従来幕の版下を使いまわしたものは上下に大きく余白が発生して無駄が強くなっているように見えます。
 58x系の方向幕機械は、本来30コマには対応していないはずですが、715系専用幕はそれに対応していること、箔部分が追加されていることから、別の稼動装置なのでしょう。確かに幕の横幅のサイズも、この箔部分のための1.5cmほど拡大されています。

 ここで幕専をどうするのかの懸案が発生です。58x系や、その改造車系列については、485系タイプの幕専データを縦に印字して対応してもらうつもりだったので、別データとして用意するつもりはありませんでした。しかしながら、この、最後の集大成とも言ったような715系専用幕を見ていると、企画として挙げておくべきかもしれないと思い始めています。本来なら別にわざわざ作り直す必要もなかったでしょうに(元々経済策として58x系を改造したようなので)、あえてこれを作ったのは、表示に対する何か意図があったのでしょう。正方形の枠に入れたとき、こちらのほうが綺麗に見えるのですから、そう確信せざるを得ません。

 というわけで、悩ましい例が出てきましたねという話題でした。側面表示のアルファベットで、版下からして圧縮サイズで書かれてるタイプはかなり珍しいので、これは大きく活用しなければ勿体無いですね。ではまた。

58x系みどり

58x系みどり

485系にちりん

485系にちりん

58x系普通列車表記

58x系普通列車表記

715系表記

715系表記